髪の毛はいつも神楽坂で切っている。

そこの美容師さんとはもう12年くらいの付き合いで、前回どんな髪型にしたか、どのくらいの長さだったか、がほぼデータベース化されており、今回はどうするか、どんな気分か、みたいなところが過去の情報とセットで会話できるのがとてもありがたい。

髪の毛を切るのは厄落としに近いので、もやもやしてる時や疲れてるときにいくと覿面に効く。
ただ、冬場にばっさりやりすぎて風邪を引きかけることもなくはないのでその点気をつける必要があるんだけど。

坂上交差点から西側、早稲田方面に坂をのぼった地域を坂上と呼ぶ。
逆に東京理科大学辺を含む飯田橋に向かうエリアが坂下。
さて、今日は坂下について一席ぶってみようか。


このエリアについて、甃(いしだたみ)の町、というキーワードがある。


移り住む前にハマった、倉本聰の「背景、父上様」に出てきた劇中小説である。
なお、そのドラマの雰囲気に飲まれて勢いで引っ越しを決めてしまったミーハー野郎がここにおり〼。

JR飯田橋駅前、牛込橋から坂を降り、交差点を渡って急な坂を登る。
左手に東京理科大の建物、右手にセガ(ゲーセンね)を見ながら進むと、赤い大鳥居の善光寺毘沙門天がある。

向かい側中華まんの五十番を入った少し手前の大きな路地が本多横丁。
いわゆる神楽坂の飲み屋街で、ワンコインバーから鰻屋さんから様々な飲食店が軒を連ねている。
Bar夢幻に入って酔っ払ってマフラーを忘れたり。

ドラマ劇中舞台の料亭「坂下」はその逆側にある別邸鳥茶屋付近とどこかを併せてつくられているはず。コレを書いていてたまに鳥茶屋の親子丼を食べに行っていたのを思い出した。

この神楽坂通りの左右の路地・路地裏がまさに石畳の町といったところ。
5年も経つと締めた店、新しい店、様々あるが、町のつくりや雰囲気はそのままでありました。

路地裏が少し汚れているのを感じたのは世相の問題か時間帯の問題かはたまたこちらの心映えの問題かはよくわからないが、また毎日のようにうまいご飯と浮かれた気分を味わいに行ける日が来れば良いなぁ。